中原君は素早くかばんの中に雑誌を隠した。

けど、美恵ちゃんにはそれが見えていたみたいで。

「あっ、今何隠したの！見せなさい！」

「やーだー！離せよ！」

「隼人！」

そんな二人を横目に、あたしは窓の外を見た。

本当寒そうな空。

今にも雪が降り出しそうだ。

そういえば朝の天気予報で、今日はすごく冷え込むって言っていたっけ。

でもホワイトクリスマスになったらきっと優芽は喜ぶだろうな。

「日菜、終業式いこ！」

「うん！」

教室を出ると、寒さに体が勝手に震え出す。

「寒いねー…」

「ほんと！なんで体育館でやるのかな。寒いし、校長の話長いから最悪！」

そんな美恵ちゃんに苦笑していると、教室から出てきた藤咲君が見えた。

ちゃんと返事を聞こう聞こうと思っていながらもう明日から冬休み。

冬休み前にはちゃんとけじめを付けたかったけど、クリスマスイブに振られるのは、あたしのメンタルが…