今日は終業式兼、クリスマスイブ。

教室のみんなも朝からどこか浮き足立っていて。

「ひーなちゃん!俺、今日のプレゼントにこれ買ったんだけど、どうかな?」

隣の席から中原君が雑誌を見せてくる。

その指の先には、かわいいブレスレット。

薄い紫色の石がついていて、シンプルの中にも大人っぽさと可愛さが混じっている。

「うん!すっごく美恵ちゃんに似合うと思う!」

それに美恵ちゃんが好きそうなデザインだし!

「まじ!?やったー!親友の日菜ちゃんが言うなら間違いないよな!」

中原君は嬉しそうに笑った。

そっか、今日はみんな好きな人と過ごすんだ。

あたしはそれが、少し、ううん、かなり羨ましかったり。

あたしもいつか、好きな人と一緒にケーキ食べたり、プレゼント交換したりしたいな。

「うわー、外寒そう!なんか曇ってるし、雪降りそうじゃない?」

腕を擦りながら美恵ちゃんが席にやってきた。