十二月二十三日、終業式の前日、俺は空港にいた。
目的はドイツに行くことしと月乃を見送るため。
「しかし月乃ちゃんが行ってしまったら寂しくなるな…」
ちょうど仕事の関係で空港にいた父さんも一緒に見送るらしい。
「あたしも寂しいです。」
あの後、腰まであった髪をバッサリショートカットにした月乃はなんだかすごく大人になってしまったように見えた。
「あ、電話だ。ちょっとごめん。」
父さんが俺達から離れて行くと、月乃は俺の手をとった。
「最後に、握手。」
昔の弱々しかった面影が嘘のように、清々しく笑う月乃。
「ねえ廉、髪型似合ってるかな?」
俺は大きく頷いた。
「すごく似合ってるよ。」
今まで見てきた中で、一番きれいに見える。
「ふふ、ありがと!廉に言われたら、本物だ。」
月乃はそう言うと、俺の手をそっと離した。
「廉、本当にありがとう。私、廉がいたから、やってこれた。廉がいなきゃ、きっとあの時、だめになっていたと思う。」
目的はドイツに行くことしと月乃を見送るため。
「しかし月乃ちゃんが行ってしまったら寂しくなるな…」
ちょうど仕事の関係で空港にいた父さんも一緒に見送るらしい。
「あたしも寂しいです。」
あの後、腰まであった髪をバッサリショートカットにした月乃はなんだかすごく大人になってしまったように見えた。
「あ、電話だ。ちょっとごめん。」
父さんが俺達から離れて行くと、月乃は俺の手をとった。
「最後に、握手。」
昔の弱々しかった面影が嘘のように、清々しく笑う月乃。
「ねえ廉、髪型似合ってるかな?」
俺は大きく頷いた。
「すごく似合ってるよ。」
今まで見てきた中で、一番きれいに見える。
「ふふ、ありがと!廉に言われたら、本物だ。」
月乃はそう言うと、俺の手をそっと離した。
「廉、本当にありがとう。私、廉がいたから、やってこれた。廉がいなきゃ、きっとあの時、だめになっていたと思う。」