言っているとなんだか胸が熱くなってきて、目が潤んでくる。

すぐに泣いてしまう、この弱い心。

いっちゃんの前では安心して、何でもすぐに泣いてしまうんだ。

「…ごめんねっ…ふ…っ…」

やだ、どうしてかな。

涙が止まらない。

「日菜、泣くな。」

伸びてきたいっちゃんの優しくて大きな手に、余計に涙が止まらなくて。

いっちゃんのこと、大好きなんだよ。

「俺、日菜のには笑っててほしいからさ。だから笑って。」

いっちゃんはあたしのほっぺに手を当てる。

「…こう?」

うまく笑えてるかな。

「うん、日菜が心から笑えてたら、それでいい。だから辛いときはこれからも俺を頼れよ。日菜が悲しい時はいつでも飛んでいくから。」

お母さんが亡くなって、お父さんは仕事が忙しくて、真生といつも二人だった時に、あたしたちをご飯に誘ってくれたのはいっちゃん。

ちぃちゃんがお父さんと結婚することになったとき、少しだけ不安がっていたあたしを元気づけてくれたのもいっちゃん。