お父さんが二人もいるよ。

「藍原健斗君って優芽とおなじチューリップ組の男の子なのよ。四歳児にしてもう将来イケメンになるであろうルックス!」

そんなかっこいい子を射止めちゃう優芽、恐るべし!

「けんちゃん、優芽にプロポーズなんてしてたんだね!ロマンチストー!」

なんかみんな、盛り上がっちゃってるな。

あたしなんて今年も一人クリスマスだよ。

今年は美恵ちゃんも中原君と過ごすだろうし。

「はあ…」

ため息をついて、オーナメントを拾い上げると同時に、ポケットに入れていた携帯が震えた。

開いてみると、新着メールが一件。

差出人はいっちゃん。

珍しい。

家が近いから、直接話したほうが早いとかでめったにメールなんてしてこないいっちゃんからのメール。

開けてみると、そこにはたった一言。

『家の前で待ってる。』

今、だよね?

「ちょっと外に出てくるね!」

あたしは盛り上がってるリビングから出た。