そんなことを思いながら新しい教室に向かう。

「ひなー!おはよー!」

ひな、という声に思わず反応してしまう。

声のした方を見ると、髪の長い女子が俺の隣の席に座っていた女子に話しかけていた。

隣の席なのか…

チラッと盗み見ると、そこにいたのは朝、バス停にいたカップルの彼女だった。

隼人が言ってたの、この子だよな…

残念ながら彼氏いるのに。

すると、バチっと目があってしまった。

やべ…変に思われたかも…

するとその子は途端に顔を真っ赤にして、うつむいた。

なんだ…?

俺、なんかやっぱり変なことしてしまったのか?

「えっと…なんかごめん…」

とりあえず謝ってみる。

「へっ?あっ、いやいやいや!あのっ!えっと…」

途端に大きなくりくりとした目をあちこちにまわす。

なんか面白そうな子だな…

それが春川の第一印象。