体育祭から二ヶ月。

あれから春川とは話していない。

同じクラスなのに、話さない。

隼人は立花になにか言われたのか、俺には何も言ってこなかった。

気がつけば、もう冬の香りが強くなってきていて。

もうすぐ十二月、いよいよ二年生もラストスパートだ。

来年は受験やらなにやらで忙しくなる。

それで俺は春川への思いは忘れられるのかな。

二ヶ月たっても、忘れられない、あの日の春川の言葉、表情。

「友だちでいてくれますか?」

その答えをきちんと俺は出さなかった。

だって、友達としてやっていくにはもう春川への思いが大きくなりすぎていたから。

このまま春川と一緒にいたら、いつか伝えてしまう。

月乃とのことをちゃんとしてから、春川に伝えたいんだ。

好きだって。

俺が生まれて初めて好きになった、女の子。

初恋なんて、しょうもないことだと、恋愛なんて大したことないことだと思っていた。