両思いになることは、奇跡だってこと。

「ひーちゃん!ごはんたべようよー!パパのカレー、おいしいよ!」

バタバタと階段を駆け上がる音がして、勢い良くドアが開き、優芽が口の周りにカレーをつけて立っていた。

「あー、もう、優芽!食べてる途中に席たっちゃダメだろ!」

「ゆめ、ひーちゃんとご飯食べたいの!ひーちゃん!たべよう?」

優芽の小さな手があたしの心を少しだけ温かくする。

その小さな手に引かれて、リビングに降りて行くと、カレーのいい匂いが鼻をくすぐる。

「あ!日菜!体育祭お疲れ様!陽に焼けたね!今日あたしのパックして寝なよ!」

夜勤明けなのに、あたしが降りてくるまで食べるのを待っててくれたちぃちゃん。

「姉ちゃん!遅えよ、もう一回カレー、温めるけど、食べるんだろ?」

真生が呆れながらも、席を立って鍋を火にかけてくれる。

「ほら、日菜。日菜は頑張ったんだから、座ってろ。よし、お父さんの特製カレーで明日からも頑張ろうな!」

「俺もおかわりしよーっと。」

「ゆめもー!」

みんな、ありがとう。

家族って温かいね。

みんながいてくれて、良かったよ。