ちゃんと初めての恋を、終わらせたかった。

あれ…

なんでかな。

今頃になって涙が止まらない。

あたしは、藤咲君の彼女になることなんて、望んでいなかったはずなのに。

ただ、伝えられればそれで満足なはずだったのに。

「う…っ…ふ…」

本当に、本当に終わっちゃった。

あたしの、初恋。

やっぱり初恋はかなわないって本当なのかもね。

後悔なんてしたくないけど、やっぱり友だちのままで、そのままでいたほうが良かったのかもしれない。

ごめんね、藤咲君。

あたし、まだ簡単に忘れられそうにないや。

だから、もう少しだけあなたのことを好きでいてもいいですか?

許してくれるでしょうか。

「姉ちゃん!腹減ったって…あれ、寝てんの?」

泣いてる顔を見られたくなくて、布団をかぶる。

「真生!日菜は体育祭の実行委員で疲れてるんだから、休ませてあげなさい!ほら今日は父さんがカレー作ったんだ。」