今、春川はなんて言ったのか。

「一年生の時から、ずっと藤咲君のことが好きでした。」

もう一度、俺をまっすぐに見上げながらそういった春川。

俺の心の中にはたくさんの感情が入り交ざった。

嬉しい。

動揺。

葛藤。

驚き。

そして、罪悪感。

本当は、俺も春川が好きだって言いたい。

だけど、言えないんだ。

「ごめんね、突然。でも言いたかったんだ。藤咲君には彼女いるのに、困らせるようなこと言っちゃって。」

違う、困ってなんかない。

「ただ伝えたかっただけなの。自分の気持ちを整理したかっただけなの。だから、だからね…」

潤んだ目で、俺を見つめる。

「…友達でいてくれますか?」

友達なんかでいたくない。

好きだ、俺は春川のことが好きなんだ。

でも、今はその気持ちを伝えられない。

ごめん、春川。

ごめん、月乃。

最低なやつで、ごめん。

勝手なやつで、ごめんな。