藤咲君にもすすめると、いただきますと言って1つ手にとる。

「ん、おいしい。」

よかった…

この笑顔が見られるのも、あたしは藤咲君にとっていい友達だからなんだよね。

そう思ったら少し複雑だけど、でも見られないよりはいい。

「ね、日菜。なんかあったでしょ?終わったら話し聞くからね。」

さすがは小学校以来の親友。

美恵ちゃんには何でもわかっちゃうんだよね。

「ありがとう。」

その後の競技も、あたしの頭の中はいっちゃんの顔や言葉がずっと渦巻いてて。

最後のリレーで、アンカーを務めるいっちゃんの姿に、なんだかまっすぐ見ることができなくて。

昨日までは何でも知ってる幼なじみだったのに。

いつもと違ういっちゃんの一面を見た気がして、なんだか知らない人みたいだった。

二年生の体育祭、なんだかたくさんのことがあって波乱の一日でした。