無駄にテンションが高いこいつは、俺の小学校からの幼なじみ、中原隼人。

たまにうるさいのが傷だけどその明るさには助けられたこともある。

「…ごめん、今日だったよな…」

今日の事情に気がついたらしい隼人は急にテンションが低くなった。

「なんだよ、いいよ。べつに。」

「今日も月乃、送ってきたの?」

隼人はもちろん、月乃と俺の関係も知っている。

「まあな。」

「もうさ、いいんじゃねえの?」

いいってなにがだ?

俺がわからないって顔をしたのを察したらしい隼人は歩きながら続ける。

「だから月乃のこと。廉はこのままずっと月乃のそばにいるわけ?」

だって俺は月乃と約束したんだ。

ずっとそばにいるって。

俺が黙ってると隼人は大きくため息をついた。

「そりゃあ月乃は相当な美人だけど、うちの学校にもかわいい子けっこういるんだぜ?」

月乃とは付き合ってるわけじゃない。

好きか嫌いかって聞かれたらもちろん好きだ。

でもその感情は、恋愛感情ではないって自覚している。