起こさないほうがいいのかな。

でももう学校閉まっちゃうし…

「藤咲君!起きて!」

言ってはみるけど、熟睡しているようです。

にしても綺麗な寝顔だな。

こんなに近くで顔を見るのはあの修学旅行の時以来かも。

まつげも長いし、肌も女子顔負けに綺麗。

もちろん顔もかっこいいけど、あたしが藤咲君を好きな理由はそれだけじゃない。

同じクラスになって、初めて話して知った。

クールそうにみえて、意外とよく笑うこと。

少しだけ意地悪だけど、すっごく優しいこと。

同じクラスになれたからこそ、知れたの。

一年生の時はただ見てるだけで何もしれなかったのに。

知るたびに、どんどん好きって思いが募っていく。

藤咲君が笑うたびに、あたしに話しかけてくれるたびに、胸がキュってなって、苦しくて。

かなわないってわかってるのに、諦めないといけないってわかってるのに、できなくするの。