夕方のバス停でいつものように月乃を待つ。

だけど今日は、ものすごく気が重い。

自覚してしまった、自分の気持ち。

気づくの、遅すぎるよな。

だけどもう、気づいてしまった。


俺は、春川が好き。

なのに今付き合っているのは月乃。

最低だ。

月乃のそばにいるって、月乃のことを恋人として好きになるって決めたのに。

あの夏休みの日の次の日、いつもどおり月乃と話していると、苦しかった。

本当はすぐにでも正直に話したいけど、俺があいつのそばから離れたら、誰があいつを守ってやる?

月乃と約束したんだ。

ずっとそばにいる。

自分が言ったくせに、それで苦しむなんて最低だ。

月乃の笑顔を見るたびに胸が締め付けられた。

「廉!おまたせ!」

バスから降りてくる月乃。

「ねえ、今日も家でご飯食べるよね?」

「ああ、うん。」

こんなにも俺のことを気にかけてくれてる。