父さんも母さんが作る料理をうまいって食べてて。

「良かったら、今度お弁当の時に持ってこようか?」

「えっ?」

「あっ、ごめん!藤咲君、彼女いるのに、余計なことしちゃうよね。ごめんね!」

彼女、月乃のこと?

なんで春川が知っているんだ?

もしかして、隼人のやつがなんか言ったのか?

「この前のお祭りの時に偶然見かけたの。すごく綺麗な人だね!藤咲君とすっごくお似合いだった!」

祭り、俺が四人で行くのを断ったあの祭りに、春川は来ていた。

そして月乃といるところを見られた。

何でだろう。

月乃をほめられたのに、どうしてこんな気分が晴れない?

春川に、そんなことを言われても少しも嬉しくなくて、むしろなんだか嫌だ。

「春川は?」

「へ?」

「好きなやつとか、いないの?」

1学期のはじめ、トイレで失恋したとかで泣いていた春川。

その時も確かなんだかモヤモヤしたんだ。