「…楽しかったよ、今まで」 「…俺もだよ」 どうして、別れるときにならないと、分からなかったことがあるのだろう。 彼が本当に楽しかったと、カーペットに吐露したことで、初めてこの時まで想い合っていたことがわかった。 ありきたりなことが嬉しくて楽しくて、 つまらなくて、いつの間にか面倒になった。 先がいつも見えているようで、結末のわかりきったドラマのようだと。 そう思っていたのに。