店内の冷えた空気を存分に味わいながら、アイスコーナーを探して右往左往する。
やっと見つけた冷凍ケースは、売り出しの季節も相まって様々な色やパッケージのアイスがひしめいていた。
「…これしよう」
1番目に好きなアイスは取らなかった。
代わりに、たまにしか食べない2番目に好きなアイスを手に取って、会計へ向かう。
「いらっしゃいませ!」
店員さんの明るい声に元気をもらえるような、その元気さを羨ましく感じてしまうような、複雑な気持ちを抱えつつこちらも微笑で返す。
「保冷剤はおつけいたしますか?」
「あ、いえ、すぐ近くなので」
「承知いたしました!お会計が128円です」
向日葵のような笑顔で接客してくれる彼女が、穴の空いた心に染み渡って、視界が簡単に揺らぎ始める。
「お願いします」