えっ……。
ガラスの破片や瓦礫に行く手を阻まれて、最寄り駅につくまでにいつも以上に時間がかかってしまった……。
駅の建物が目と鼻の先に見え、ようやく辿り着く……と、安堵した矢先、目に飛び込んできた光景に僕は瞳を見開き、驚いた……。
駅へと続く道にならって、ずらりと大勢の人々が列をなしていた。
駅の改札へと向かいたかったけれど、人の多さにとてもじゃないが駅の改札口どころか、建物にすら近づけない状態だった……。
なんで……。
どうして……。
こんなにも人々で溢れているのか……その理由がすぐにはピンとこなかった……。
こんなところで立ち往生してるわけにはいかない……!!
ここまで来たんだ。
何としてでも駅の中へ。
改札をくぐり、電車へと乗り込まないと……。
今だに君との連絡が取れぬ焦りと不安から僕は自分のことしか考えられずにいたんだ……。
その行為がどれだけ他の人の迷惑となり、最悪の場合、事故さえ起こしかねないことをしようとしているのか……
冷静な判断ができなくなりつつあった……。
よしっ!!
気合を入れ、人で溢れる場所に向かって僕が歩を進めようとした瞬間……。
「ただいま、地震による影響で一時的に運転を見合わせております。なお、復旧の見込みは今のところ立っておらず、皆様には大変ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ありません……」
「皆様にお知らせ致します。現在、地震による影響でバスの運行ダイヤルが大幅に乱れております。皆様には大変ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ありません……」
駅に入れずにいる駅周辺にいる利用客に向かって、駅員とバス会社の社員が共に拡声器を手に必死に声を張り上げて叫んだ。
そ……んな……。
その言葉に僕はようやくこの事態を理解することができ、到底駅の改札口やバス停に向かうことはムリと気がつくことができた。
「なんだよ、それ……」
「早く、どうにかしろっ!!」
「痛い!! 押さないで!!」
「ちょっ、困るんだけどー。」
「とっとと、電車を動かせ!!」
「どうにかしなさいよ!!」
駅員とバス会社の社員の言葉に納得のいかない人達が声を上げた。
更にざわめき、収集がつかなくなりつつある状況に僕は次の交通手段を考える。
僕が辿り着いた最寄り駅は電車とバス、それにタクシーが利用できる大きな駅だ。
電車もバスもダメなら…タクシーは……?
チラッと、タクシー乗り場がある方へと視線を向ける。
その場所にも当然と言えば同然だが人が溢れてはいたけれど……辛うじて規律が守られ、タクシーを利用したい人がきちんと並び、列をなしているからだろう……。
……利用……できている……と、いうことなのか……?
通常ならば、客待ちのタクシーが多く停まっているべき駐車スペースは僕がいる場所から確認するかぎり、タクシーは1台も停まってはいなかった……。
例え、タクシーが利用できたとしても……最後尾がどこなのか分からない長蛇の列……。
まず、そこまでたどり着けるか、どうか……。
最後尾に運良く辿り着けたとしてもいつ、僕の番が回ってくるのか……。
本当にちゃんと僕の番が回ってくるのかさえ分からない状況の中、交通機関を頼るのはどうなのか……と、いう迷いが僕の心の中に生じ始めた……。
どうする……。
どうすべきか……。
思考を働かせて次なる手段を考える……。
交通機関が当てにならないのであれば……後は、徒歩のみ。
徒歩しかない……!!
僕は徒歩で君の家に向かうことを決めた。
君の家までは……今いる駅から電車で2駅。
そこから徒歩で10分くらいかかる。
その道のりを全て徒歩で……と、なれば……どのくらいの時間がかかるのだろう……。
想像すらできなかった……。
それに君の家に向かったとしても必ず君がいるという保証はどこにもない。
ただ……『君がいるかもしれない……』と、いう1つの可能性にしか、過ぎない……。
それでも僕は一刻も早く君の無事を確かめたくて……歩き出したんだーー……。
ガラスの破片や瓦礫に行く手を阻まれて、最寄り駅につくまでにいつも以上に時間がかかってしまった……。
駅の建物が目と鼻の先に見え、ようやく辿り着く……と、安堵した矢先、目に飛び込んできた光景に僕は瞳を見開き、驚いた……。
駅へと続く道にならって、ずらりと大勢の人々が列をなしていた。
駅の改札へと向かいたかったけれど、人の多さにとてもじゃないが駅の改札口どころか、建物にすら近づけない状態だった……。
なんで……。
どうして……。
こんなにも人々で溢れているのか……その理由がすぐにはピンとこなかった……。
こんなところで立ち往生してるわけにはいかない……!!
ここまで来たんだ。
何としてでも駅の中へ。
改札をくぐり、電車へと乗り込まないと……。
今だに君との連絡が取れぬ焦りと不安から僕は自分のことしか考えられずにいたんだ……。
その行為がどれだけ他の人の迷惑となり、最悪の場合、事故さえ起こしかねないことをしようとしているのか……
冷静な判断ができなくなりつつあった……。
よしっ!!
気合を入れ、人で溢れる場所に向かって僕が歩を進めようとした瞬間……。
「ただいま、地震による影響で一時的に運転を見合わせております。なお、復旧の見込みは今のところ立っておらず、皆様には大変ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ありません……」
「皆様にお知らせ致します。現在、地震による影響でバスの運行ダイヤルが大幅に乱れております。皆様には大変ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ありません……」
駅に入れずにいる駅周辺にいる利用客に向かって、駅員とバス会社の社員が共に拡声器を手に必死に声を張り上げて叫んだ。
そ……んな……。
その言葉に僕はようやくこの事態を理解することができ、到底駅の改札口やバス停に向かうことはムリと気がつくことができた。
「なんだよ、それ……」
「早く、どうにかしろっ!!」
「痛い!! 押さないで!!」
「ちょっ、困るんだけどー。」
「とっとと、電車を動かせ!!」
「どうにかしなさいよ!!」
駅員とバス会社の社員の言葉に納得のいかない人達が声を上げた。
更にざわめき、収集がつかなくなりつつある状況に僕は次の交通手段を考える。
僕が辿り着いた最寄り駅は電車とバス、それにタクシーが利用できる大きな駅だ。
電車もバスもダメなら…タクシーは……?
チラッと、タクシー乗り場がある方へと視線を向ける。
その場所にも当然と言えば同然だが人が溢れてはいたけれど……辛うじて規律が守られ、タクシーを利用したい人がきちんと並び、列をなしているからだろう……。
……利用……できている……と、いうことなのか……?
通常ならば、客待ちのタクシーが多く停まっているべき駐車スペースは僕がいる場所から確認するかぎり、タクシーは1台も停まってはいなかった……。
例え、タクシーが利用できたとしても……最後尾がどこなのか分からない長蛇の列……。
まず、そこまでたどり着けるか、どうか……。
最後尾に運良く辿り着けたとしてもいつ、僕の番が回ってくるのか……。
本当にちゃんと僕の番が回ってくるのかさえ分からない状況の中、交通機関を頼るのはどうなのか……と、いう迷いが僕の心の中に生じ始めた……。
どうする……。
どうすべきか……。
思考を働かせて次なる手段を考える……。
交通機関が当てにならないのであれば……後は、徒歩のみ。
徒歩しかない……!!
僕は徒歩で君の家に向かうことを決めた。
君の家までは……今いる駅から電車で2駅。
そこから徒歩で10分くらいかかる。
その道のりを全て徒歩で……と、なれば……どのくらいの時間がかかるのだろう……。
想像すらできなかった……。
それに君の家に向かったとしても必ず君がいるという保証はどこにもない。
ただ……『君がいるかもしれない……』と、いう1つの可能性にしか、過ぎない……。
それでも僕は一刻も早く君の無事を確かめたくて……歩き出したんだーー……。