行こう。
君の無事を確認したくて幾度となく、携帯電話の発信ボタンをタップし、電話をかけ直し続けていたけど……一向に電話が繋がる気配はない……。
それならば……君に逢いに行こう。
君を探すんだと、僕はそこかしこに散らばったガラスの破片や瓦礫に足を取られないように細心の注意を払いながら、最寄り駅に向かって歩き始めた。
その間も足場の悪い道路の状況を気にしつつ、君に電話をかけ続けた。
しかし……聞こえてくるのはやっぱり機械的な電子音のみ……。
一体、いつになったら君と電話が繋がるのだろう……。
早く……。
一刻も早く繋がってくれ……!!
早く君の声を……。
たった2文字の『無事(ことば)』を確認したい……。
どうか、どうか……無事でいて。
無事でありますように……。
電話が繋がらない度に聞こえてくる機械音に打ちひしがれそうになる思考を振り払うように……
一歩、また一歩と足を進めながら、何度も……何度も心の中で強く願い続けていたーー……。