そして、今に至る。

震災が起きた日(あのひ)の出来事を自己を守るためにその記憶を頭の奥に閉じ込め続けているとはいえ……今なお、君の心は無意識にではあると思うけど……心の底から愛した男性(あいつ)のことを求め続けているに違いない……と、君の傍に……君と一緒にいればいる程、僕はそう、思ってしまうんだ……。
その度に僕の胸には鋭い刃が突き刺さり、痛みを与える……。
この痛みは君の傍にいてもいい……と、いう代償……。
君の傍にいる限り、一生伴うであろう痛み……。
それを承知の上で僕は君を想い続け、君の傍で……君と一緒に未来を歩んでいきたい……。
幸福(しあわせ)になりたい……。
そして……
もう、この世にいない……
記憶の中でしか存在しない君の愛する男性(あいつ)と…災害が起きた日(あのひ)の出来事を二度と思い出さないで……と、僕は願い続けているーー……。