何度目になるだろうか……。
気がつけば君が僕のアパートを訪れることが当たり前となり、週の半分近くを占めるようになっていた。
その時から僕はある一つのことを君に伝えなければ……と、思うようになり、やっとの思いで決心を固めた。
決心とは『告白』のこと。
その想いは日に日に大きくなってゆくと共に僕は君にバレないようにこっそりとシルバーの指輪(リング)ーいわゆる婚約指輪(エンゲージリング)の準備も始めた。
数件の店を巡り、迷いに迷って一軒のお店へと足を踏み入れる。
初めて入るお店……。
こじんまりとしたお店は落ち着いた雰囲気で宝石をあしらった指輪やネックレスが煌めきを放っていた。
僕は緊張しながら、ガラスケース内にディスプレイされた指輪を一つ、一つを眺めた。
……どれがいいのだろう……。
君の好みはどんなデザインなのか……
ぱっと見た目重視の派手なものよりもさり気ないデザインの中に可愛らしさがあるものの方が好きなような気がするけれど……
現にたまに君が身につけているネックレスやピアスはシンプルなデザインの方が多いような気がする……。
そう考えるとやっぱり……
あれこれと考えてしまって、なかなか決めることができなくて……じーっと、ディスプレイされた指輪とにらめっこ状態になっていた……。
そんな僕に宝石店の店員さんが微笑みながら優しく声をかけてくれた。
僕が『婚約指輪(エンゲージリング)を購入したい』と、伝えると……
「普段使いも出来るシンプルなデザインの指輪(もの)がオススメですよ」
すぐさま適切なアドバイスをしてくれただけでなく、そのお店オススメの婚約指輪(エンゲージリング)を数点、ガラスケース内から出して、僕の目の前に置いてくれた。
店員さんのアドバイスを元に僕はようやく君に似合うであろう……シンプルかつ、可愛らしいデザインの婚約指輪(エンゲージリング)を決めることが出来た。
後は……君に想いを伝えるだけ……と、なったーー……。