本当に実現するなんて……。
しかも、こんなにも早く……。
正直、嬉しさよりも驚きの方が勝っていた……。
「……地図(これ)を頼りに……?」
コクッ……と、もう一度、君は大きく頷いた。
「細かいところまで分かりやすく書き込まれてたから……一人でも迷わずに来ることが出来たの」
「ーーっ……」
「本当にありがとう」
ニコッ……。
花が綻ぶような柔らかな笑顔を浮かべた君に僕は胸がほわっ……と、あったかくなると同時に……君のことがとても愛おしくて場所も考えずに思いっきり抱きしめた。
君は突然のことに驚き、僕の胸の中で身じろぎしながら訴えた。
「こっ、こんな……ところで、は……恥ずかしいよ……。は、なし……て……」
「あっ、ごめんっ! 嬉しくって……つい……」
君の言葉に僕はすぐさま君から離れて、ズボンのポケットからアパートの鍵を取り出して、あたふたしながら玄関の鍵を開けた。
「……と、とりあえず……中へ。ちらかっててあまりキレイじゃないけど……」
「お邪魔します」
そう一言、告げてから……君は僕の部屋へと上がったーー……。