日々、勉学とアルバイト……その合間を縫って君との時間も大切にしていた。
その生活は君の引っ越し先に行っても変わることはなかった。
唯一、変わったことといえば……以前よりも距離的な面で君とは逢いやすくなったから、逢う回数が増えるだろう……と、思っていた。
けれど以前と変わらず、直接、逢うよりもメールや電話でのやり取りが多かった。
それは僕のことを君が気にして……と、いうこともあるのだろうけれど、大部分は君の精神的な負担を考えてのことだった……。
もちろん、君が『逢いたい』と、言えば時間帯もあるけど……可能な限り僕は君の家へと足を運んだ。
君のPTSDのことを考え、症状も一応落ち着いた頃を見計らって引っ越しをしたのだが……君の両親や担当医が考えていたよりも君は慣れない(とち)での新生活に戸惑い、一時的に精神的に不安定になることが増えていった……と、君の母親がこっそりと僕に手紙をしたためて、教えてくれのだった……。
程なくして……精神科のクリニックに通い始め、カウンセリングや投薬によって君は徐々に落ち着きを取り戻したものの……クリニックの通院以外での外出を極端に嫌がり、家族に逢うことすら拒否する日もあった……と、いうことも母親の手紙には綴られていたーー……。