僕は君の住んでいる街に着いてすぐに君の家へと向かった。
そこは……街の中心地よりやや郊外になるが、公共の交通機関はしっかりと整備されていて、なおかつ自然も豊かな場所に住宅街があり、その一軒にシンプルな和モダンの二階建ての住宅ー君の家が建っていた。
ピンポーン……。
僕は躊躇うことなく、チャイムを鳴らすと……君の母親が出てきて、快く僕をリビングへと招き入れてくれて、二階の自室で過ごしていた君に声をかけに行ってくれた。
リビングで待っていると……
バタバタ……と、慌ただしく階段を降りてくる足音と
「そんなに急いで降りたら……危ないわよっ!」と、心配する声が聞こえた。
僕は『大丈夫なのか……』と、心配になり、眉を寄せながら立ち上がると同時に……ガチャ……と、ドアノブが回る音が聞こえたと、思った瞬間にはもうリビングの扉が大きく開け放され、君が勢いよく僕の胸へと飛び込んできた。
微かに香る花のフレグランスと君の体温(ぬくもり)に……
……ようやく、逢えた……。
懐かしさと愛おしさを感じ、気持ちを抑えることが出来なくなった僕は……君の母親が今しがた君が勢いよく入ってきたドアの前に立っていることも気にもとめずに君をぎゅっ……と、力強く抱きしめたーー……。