一体、何が……。
どうしたというのだろう……。
すぐに君の父親の後を追いかけるべきなのだろうけど……僕は思いもよらぬ出来事に驚き、一言も言葉を発することも出来ずにその場から動けなくなっていた……。
何故なら……
『もう……娘に関わらないでほしい……』
君の両親の想いを知ってもなお、僕は君の元へと通い続けていたから……。
そんな僕に対して君の両親の態度はとても冷たく、目を合わせてくれないどころか、挨拶……言葉の一言も返ってこない始末……。
それならまだ、マシな方で君の病室(そのば)にいるのに存在していないような扱いを受けてもいた……。
君の両親から見れば僕は何とも強情で身勝手な男性(おとこ)と、して映っているはずだ……。
仕方ないと言えば仕方のないことだし、君の両親と不和な関係になってしまったのは僕の身勝手な行動が原因であると、いうことは一目瞭然……。
そのことは僕自身が一番承知してることでそのことに対して哀しんだり、まして君の両親に対して腹を立てるなどお門違いもいいところだ……。
ただ一つ、君の両親に理解して(わかって)ほしいことは君を心の底から誰よりも大切に想うがため……僕は自分の想いを貫いているだけで君の両親に楯突くつもりはさらさらないと、いうことだ。
そんな日々を送っていた時、突然、君の父親から声をかけられたものだから僕はひどく動揺してしまった……。
好き勝手に振る舞っている僕の行動があまりにも目に余り、流石にこれ以上は我慢できなくなったのかもしれない……
更なる忠告が必要だと感じての呼び出したのかもしれない……。
ズキッ……と、心が痛い……。
気が重いな……。
怒られることを覚悟の上で僕はようやく……のろのろと談話室へと向かったーー……。