次の日。

僕は君に逢いに行った。
君は昨日と一緒。
どこを見ているのか、焦点の合わない生気を失った瞳でぼんやりと窓の外の景色をぼんやりと瞳に映していた……。
僕はただ、静かに君の傍に佇んでいると……突然、君は僕に抱きついてきて大粒の涙を流して泣き出し、全身を震わせ、怯えた……。
君は泣きながら……
「ごめんなさい……」
「私が悪いの……私のせい……なの……」
「……許して……許して下さい……」と、
懇願し、独り言を呟き続けた……。
そして……
泣き疲れて眠りにつく……。
その繰り返しだった……。
何が、どうなって……。
君がどうしてこのような状態になってしまっているのか、理由を知らない僕震災が起きた日(あのひ)、君にどんなことが起こったのか……出来事を知りたかった。
その出来事を知った上で君に寄り添いたいと思った。
けれど、聞けなかった……。
それは君がとてもじゃないけれど、話せる状態ではない……と、いうよりも君に聞いてはいけない気がしたんだ……。
触れてほしくない……。
思い出したくもない……。
取り乱し、苦しそうに泣き続ける君の姿を目にして僕はそう、感じていた……。
だから、僕は君が取り乱して泣きじゃくる度に「大丈夫だよ」と、優しく言葉を紡ぎ、君の背中をさすり続けることしかできなかったんだーー……。