でも、女の子の体、久々に触るけど柔らかい。

そうそう、こんなふうに柔らかくて、…

環ちゃんも柔らかかったなぁ。

あの時、キスのひとつくらいしときゃよかった。

いや、もうしたけど。

「流星?」

亜里沙の顔が近づいてくる。

ま、いっか。

俺ってやっぱ最低だよな。

今更何言ってんだよ。

俺はもともと、こういう奴だったじゃん。

こんなふうに流されて、生きてきたじゃん。

それで世間をうまく渡ってきた。

それなりに何でも出来て、楽しかったじゃん。

なのに、俺には夢中になるものができてしまった。

かっこ悪くても、がむしゃらになってでも手に入れたいって思う存在を。

「…りゅ、うせい?」

俺は手で口を塞いでいた。

「ごめん、…できないや。」

アハッと笑ってみせると、亜里沙は俺の頬をぺちん、と軽く叩いた。

「悔しいけど、あたし、今の流星のほうが前の流星より、好きだな。…でも、それは誰かのおかげなんだよね。」