甘ったるい香水の香り。

ふわふわの布団に安っぽいライト。

そして聞こえる、水音。

「お待たせ、流星起きないから先にシャワー浴びてきちゃった。」

濡れた髪を拭き拭き出てきた亜里沙。

ん?

頭がボーッとするし、あんまり記憶がない。

「ここどこ?」

「ホテル。流星ってば忘れちゃったの?」

んーと、あっ。

なんか少しずつ思い出してきた。

確かスタジオ帰り、駅のホームでたまたま亜里沙にあったんだっけ。

それで、ちょっとだけ飲もうって誘われて、しつこいから付き合って。

んで、この状況か。

「流星とこういうことするの、久しぶりだよね。」

甘い声を出しながら俺の肩に腕を回す亜里沙。

振り払いたいけど、酒のせいかな。

なんかダルい。

「ねえ、流星。あたし、やっぱり流星が好き。あたしたち、より戻そう?」

亜里沙と、より戻す?

いや、俺には今好きな人、いるし。