優勝したんだ…

写真の私はまるで自分じゃないみたい。

「ていうか、アナタ!ご本人じゃないですか!」

…やっぱり、気づかれたか。

「その説はありがとうございました。おかげでお店、繁盛してるんです。」

役に立ってるなら、良かった。

「今日は流星、スタジオ撮影のアシスタントに行ってていないんですけど、あいつ、このコンテストのおかげですごく成長できたって嬉しそうでした。」

こんな素人の私をモデルに使ったのに?

やっぱり理解不能。

でもあいつ、やたら私の髪を褒めていたっけ。

「でも流星が言ってたとおり、すごく綺麗な髪ですね。」

特別なことは何もしていない、染めてもいないただの黒髪。

なのに、そんなに褒められるなんて。


「はい、できました!」

数十分後、鏡の中の私はやっぱり別人みたい。

メイクもやってくれて、今日のために買ったドレスにピッタリ合ってる。