一、三年と同じクラスだったさくは高校の時から付き合っている彼氏と結婚することになったらしい。

招待状が届いた時はかなりびっくりした。

ついに私達の同級生の中にも結婚する人がいるんだなって。

でもよく考えれば今年で二十三才。

結婚してもおかしくない年齢だ。

「そうそう！そのためにあたし、今日はちゃんと美容室、予約しときましたー！三人分！」

世莉が敬礼のポーズをとる。

こういう世莉は昔から変わらない。

「なんかね、最近有名らしいの。職場の人が言って、雑誌に載ったとかでね、すごく可愛い髪型になってていつか行ってみたいなーって。」

美容室…

また嫌なこと思い出しちゃった。

けど、嫌なことは重なるもので。


「世莉…ここって…」

「そうそう、ここにあるヘアサロン！値段もそんなに高くないし、初めての結婚式だからちゃんとしときたいよね！」

世莉が入ろうとするとは、見慣れすぎたビル。

て言うか、昨日もここに来た。