「はい、どうぞ。」

「ありがとうございます。」

川澄先輩からミルクティーを手渡される。

今日は約束していたデートの日。

行き先は映画。

「おもしろかったね。」

「はい、本よりも映像の方がリアルでよかったです。」

川澄先輩と私が見た映画は話題の推理小説を実写化したもの。

実写化って結構心配だったけど、以外と良かった。

「これからどうしよっか。天気いいし、公園でご飯、食べる?」

この近くにある公園には中にちょっとしたフードコートもあるらしい。

「はい。」

やっぱり川澄先輩は今日も爽やか。

隣を歩くときもさり気なく道路側に行ってくれるし、私の歩く速度に合わせてくれる。

優しくて、しかも紳士的。

「今日は来てくれてありがとう。」

フードコートで買ったご飯を食べながら、川澄先輩が微笑んだ。

「いえ、私こそ…すごく楽しいです。」

楽しくて、居心地がいい。