あったりまえよ!

「その人はモデルじゃないですよ。」

「へえ!じゃあ、もしかして、吉崎さんの彼女さんとか!」

か、彼女さん!

そうなれば万々歳なんだけど。


それから五人連続でSWEETのカットモデルコンテストを見て俺を指名してくれたお客さんが来てくれた。

ありがたいことだけど、かなり疲れた。

ようやく休憩には入れたのは閉店間近。

「流星、店の看板しまってきて。」

外に出ると無意識に上を見てしまう。

今頃環ちゃん、何してんのかな。

あいたいな。

うん、すげえ会いたい。

だってさ、今日何回あの雑誌で笑う環ちゃん、見たと思う?

みんな環ちゃんのこと、可愛いって。

そんなの俺が一番わかってる。

すげえかわいいし、綺麗なんだ。

俺だけが知っててよかったのに。

「ほんと、かっこ悪いな。」

いつからこんなになったんだろ。

でもさ、俺自身も前より俺のこと、好きかも。

今の一途な、恋に馬鹿になってる自分、案外嫌いじゃない。