怒ってた。

今までも何度も怒った顔、見てきたけどあれは本気でマジギレしてた。

当たり前、か。

だって無理やりキスしたんだから。

「最低。」

脳内に環ちゃんの声が蘇る。

うん、ホントそのとおり。

俺って最低最悪。

いくら感情的になっちゃったからって無理やりキスすると、ないわ。

でもどうすればいいか、わからなかった。

今まで女の子がどうしたら喜ぶのか、嬉しいのか、わかってたつもりでいたのに。

なのに環ちゃんはいつまでたっても俺は攻略できなくて。

何を言っても、何をしても俺が思った表情は見せてくれない。

だからどうすれば俺が見たいものを見せてくれるのか、どうすれば笑顔が見れるのか、知りたくて。

そうしてるうちに、きっと本気になってた。

本気か、本気じゃないかなんて環ちゃんと知り合って初めて気づいたこと。

今まで俺がしてきた恋愛、付き合ってきた女の子は本気のつもりだったのに。