日曜日はたしか何もなかった。

「はい、空いてます。」

すると川澄先輩は瞳を輝かせた。

「じゃあ、俺とどこか行きませんか?」

先輩なのに、敬語。

って、突っ込みどころはそこじゃない。

「えっと…」

「…つまり、デートしたい、です…」

デート…

川澄先輩と?

「あっ、でもそんなかしこまったものじゃなくて…ほら、俺告白はしたけど、仕事以外での久住さんのこと、知らないからもっと知りたいなって思って…」

私も川澄先輩のこと、仕事以外では知らない。

それに断る理由もない。

川澄先輩のことを好きになれば、このもやもやは解消される?

「はい…」

私は頷いた。


その日の帰り、エレベーターから降りると目の前に誰か立ちふさがった。

「環ちゃん、今日は早いんだね。」

やっぱりこいつ、ストーカー気質あるみたい。

私は何も言わずに横を通りすぎようとした。

それなのに、腕を掴まれる。