「俺、ここで待ってるからね!ずっとずっーと待ってるからね!」

その去っていく背中に呼びかけるけど、振り向いてもくれない。

姿が見えなくなってから俺はその場に座り込んだ。

冷たいなぁ。

なんでこんなに、俺、必死なんだろう。

なんであの子を、こんなにも必死で追いかけて。

もっともっと、知りたいって思うんだろう。

言ってしまえば俺とは正反対の世界で生きている。

頭が良くて、真面目で、一流企業に勤めてて。

きっと今まで俺の人生に現れることのなかった、交わることのなかった女の子。

何人もの子と付き合ってきたけど、こんな思いは初めてだ。

だって今までの子たちは自分からアピールしてきたから。

俺が知ろうとする前に、知らせてきた。

俺が少し優しくしただけで、簡単に落ちてくれた。

もしかしたら、それがつまんなかったのかな。

俺って最低だよな。

環ちゃんのこと、もっと知りたい。