中、高と女子校だったからもちろん男子はいなかったけど、大学に入ってからもこんなにチャラついた奴はいなかった。

私が最も苦手とするタイプだと思う。

「もし暇ならさ、ライブ見に来ない?」

「行きません。」

なんであんたのライブなんて見に行かなきゃ…

って!

「バンドしてるの?」

「おっ?ちょっと俺に興味でてきた?」

…うざい。

「あっ、待ってよ!そうそう!俺ね、バンド組んでるの。」

へえ。

そうなんだ。

でも確かに軽音サークルにならこれくらい派手な人がいたかも。

「Cielってバンドなんだけど、見に来てよ!ね!今日の八時から駅前のライブハウスで!じゃ、決定ね!」

はっ!?

何言ってんの!?

と見るともうすでに奴はそこにはいなかった。

勝手なことばっかり言いやがって!

誰が行くかっ!

「たまちゃん?どうしたの?」

声をかけれられ、振り返るとそこにいたのは会社の同期の灰崎日芽。