いやいや、あの子も優大と同じ反応しそう。

ともかく、あいつの部屋に忘れたカバンを取りに行かなくちゃ。

その時に真相を確かめればいい。

私は一度、シャワーを浴びるとスーツから着替えて、自分の部屋にあった貯小銭をかき集めると家を出た。

外はお昼間近で気温は最高潮。

まだ6月にもなってないってのに。

電車に乗って再びあのアパートへ。

…よし、行くか。

「はあ…」

ため息をついて、そしてチャイムを押す。

「ハイハーイ!」

バカみたいな明るい返事が聞こえて、出てきたのはやっと服を身につけた吉崎流星。

「あっ、環ちゃん!忘れ物取りに来たの?」

私が頷くと、吉崎は私の腕を掴んで部屋に引き入れた。

「暑かったでしょー?俺ね、今アイス食べようと思ってたの!あ、さっき作ったフレンチトーストにのっけて!食べていってよ!」

「いや、私荷物取りに来ただけだし…」

「いーからいーから!」