ま、まさか…!!!

そんな、私が!?

こいつと!?!!

嘘でしょ!

いや、嘘だ!

昨日は確か、出張から帰ってきて、それで…

コンビニに寄って、こいつとたまたまあって、ちょっとだけ飲みに行くことになって、あの前に日芽といったバーに行って…

ダメ。

そこからは思い出せない。

それで私、どうしたんだっけ?

「ヤダー、環ちゃんってばエッチ!俺の肉体美に惚れちゃった?」

「どいて。」

私は奴の体を押しのけると、玄関に向かった。

とりあえず、帰ろう。

かえって部屋で考えよう。

一人になれば、一人で考えればきっと冷静に…

動揺で上手く履けないパンプスになんとか足を通すと、フラフラする体で扉を開けた。

眩しいほどの夏の日差しが目をさす。

「あっ、環ちゃん!待ってよ!」

慌てる奴の声を背中に、私は一目散に走りだした。

嘘だ、嘘だ!

ありえない!!!

この私が!?