「んー…」

カウンターに突っ伏して、起き上がろうとしない環ちゃん。

もしかして、めっちゃ酒弱い?

だってカシスオレンジ一杯飲んだだけだよ?

なのにもう白い頬は赤く染まって、ぐでんぐでん。

いつものキリッとした彼女の姿はどこへやら。

「ほらー、そろそろ帰んなきゃ。店閉まるから。」

肩をたたいても返事無し。

「流星、責任持ってちゃんと送って行ってやれよ。」

「送り狼になんなよ!」

好き勝手言う風斗や優雨の声を背中に、moonlightを出た。

「ほら、ちゃんと歩ける?」

「うー…」

カクンと転びそうになる環ちゃん。

フラフラしてて、危なすぎる。

酔が覚めたら怒られそうだけど、こうするしかないよな。

俺は環ちゃんの足からヒールを脱がせた。

「俺によっかかって。」

おんぶすると心地のいい重さ。

つうか軽くね?

細いとは思ってたけど。

「んー…」