ラッキー!

「何買うの?」

「あなたには関係ないでしょ。」

相変わらずつめてえーの。

俺は環ちゃんに会えなくてすげえ寂しかったのに、何この差。

ま、あたりまえか。

「これからどうするの?この後暇?」

「帰る。疲れたの。」

ですよねー…

でもここでめげないでしつこくするのが俺、吉崎流星のやり方なのだ!

「ちょっとだけ俺に付き合わな…」

「いや。」

…せめて最後まで言わせて…

俺、泣いちゃうよ?

「少しだけ!いいとこ連れてくからさ!ね!」

「そんな適当なこと言ってる人についていくわけ無いでしょ。」

やばい、このままじゃ絶対断られて終わり。

こんなチャンス、ないのに!

環ちゃんが興味を持ちそうなこと…

今までした会話を全部掘り起こして考える。

あっ!

ひとつだけ、あった!

俺の話で食いついてきたこと!

「バンド!俺のやってるバンドのやつのライブがこの前のバーであるの!見に行こうよ!」