川澄先輩が私の目を見つめる。

何だろう。

「俺、…君のことが好きなんだ。久住さん、俺と付き合ってください。」

あれ?

今、私告白された?

川澄先輩に?

突然のことで頭がうまく回らない。

「返事はいつでもいいから。」

そっか、私、告白されたんだ。

人生初の告白。

なのに結構冷静に受け止めてる。

やっぱりこういうとこが可愛くないんだよね、私。

普通の女の子ならこういう時舞い上がっちゃったり、恥ずかしそうに照れたりするんだよね。

やっぱり私って恋愛不適合者なんだ。

日芽なら、こういう時きっと可愛く反応するんだろうな。

「じゃあ、そろそろご飯行こうか。」

「はい、そうですね。」

若干気まずくなった空気を追い払うように川澄先輩が言った。

そのあとは普通だった。

先輩が話すことに、私が答える。

気まずいことなんて何もない。

ただ、出張から帰ってきて、ものすごく体が疲れている。