それから彼女は途切れることはなかった。

自分から告白したことはほとんどない。

いつも向こうからぐいぐい来てくれて、告白されて。

女の子は好きだ。

柔らかくていい匂いがして。

俺が付き合ってきた女の子は一貫して、派手目、明るくて楽しいことが好き。

キラキラ自分を飾るのが好きでいつもバッチリメイクやネイルをして、流行のファッションを決めているような子。

きっと俺はそういう子と体質があっていたからだ。

俺自身もそうだから。

なのになぜか今回は環ちゃんが気になった。

いやー、あの俺を汚いものでも見るように見てくる目がたまんないんだよね。

「お前、ドMなんじゃね？」

バッサリといったのは優雨。

とにかく綺麗に整った顔で毒を吐きまくる優雨はどことなく環ちゃんに似てるような。

まあ、そんなこんなで俺は環ちゃんに毎朝店の前を掃き掃除しているフリをしてちょっかいをかけることを習慣にしていた。

「ほら、行くぞ。」

風斗がドラムスティックを鳴らして、曲が始まった。

今日の一曲目はこのまえ真宙が書き上げてきたばかりの新曲。