だれにもみせたくない。

その顔、俺だけのものにしたいよ。

「環ちゃん、だーいすき。」

まだぬか漬けに手を伸ばそうとしていた環ちゃんはびっくりしたように俺を見た。

「…はいはい。」

「環ちゃんは?俺のこと、好き?」

ねえ、言ってよ。

聞きたいんだ。

「まあ、…そこそこ。」

そこそこって何!

「チェッ、俺は環ちゃんのこと、大好きなのにさ!」

やっぱり君は、攻略不可能だ。

けど、だからこそ燃える。

ほら、なかなかクリアできないゲームみたいな?

癖になるっていうか。


「…好き。」

へ?

「い、いま!好きって言った!?」

「さあ?気のせいじゃない。」

いや、確かにいった!


たまに出てくる突然なサービスルート。


攻略不可能な君が、大好きだから。

いつか見つける、攻略法。

その時は、存分に言わせるよ。

だからそれまで言いまくる。



「環ちゃん、だーいすき!」


攻略困難恋愛~真面目女子の落とし方~【完】