「プンだ…もういい。」

ふて寝するふりをしてたら、本当に眠たくなってきた。

カットモデルコンテストのおかげで毎日俺指名のお客さんが増えるのはいいことなんだけど、さすがに疲れる。

あー、せっかくの二人きりなのに。

もっといろいろ、したかったのに…



「ん…」

目を開けるとなんかいい匂いがする。

この匂いは、味噌汁？

「環ちゃん？」

「あ、起きた？今ご飯作ってるから、待ってて。」

な、なんと！！！

環ちゃんの手料理が食べられる日が来るなんて！

感激です！

けど、待ってるなんてできなくて。

俺は立ち上がって、台所に立つ大好きな後ろ姿に抱きついた。

一週間ぶりに触れる彼女は、相変わらず柔らかくて、いい匂い。

「なにしてんの、危ないでしょ、包丁使ってんだから。」

そしてこうやって俺に包丁を見せてくるところも、なんか好き。

俺、相当溺れてる。