—初めてのキスから、何度目か分からないキスまで重ねていき今に至るけれど、思った以上に春は俺のことが好きで、不安で、俺自身のことを見ていて、底まで知りたいと思っているらしい。
本性を晒した所で収集の付け方は大体頭の中にあるから厭わないけれど、間違った方向に積極的な彼女の姿を見て考えを改めた。
「俺以外を見てるのも、危ないよ?」
潜めていた独占欲と嫉妬を小出しにしても、冷めるどころか興味を増していく瞳の色に、口角が上がる。
—なんだ、隠さなくていいのか。
というより寧ろ、見たがっているのかな。
計画通りに隣に居てもらってはいるものの、こんなにも早く自ら足を踏み入れてきてくれるだなんて、嬉しい誤算だ。
「じゃあ春、俺だけを映して、俺だけの中にいてくれるよね?」
「…!…うん、いたいよ」
「愛してるよ、春。春以外は何もいらない」
恍惚とした笑みを浮かべる彼女を見て、気持ちを込めて誓いのキスを落とす。
離れられない。
離れない。
離さない。
————絶対に、逃がさない。