「そう言えばさ、有村くんは家でいつも何をしてるの?」

 そんな質問答えられる気がしない。正直に言うと毎日ゴロゴロとゲームか漫画かしかない。ただ、そんなことを伝えたら幻滅されるかもしれない。そんな恐怖がある。ただ黙っているのもおかしいだろう。嘘をつくのも違う気がする。つまり俺は正直に答えるしかないのだ。

「ゴロゴロしてゲームとか漫画かな」

 迷いに迷って正直に答えることにした。もし嘘をついて勉強してますとか、本を読んでますとか言ってもすぐにバレるだろう。

「そうなんだ、普通だね」

 普通、それは普通に発した言葉なのか、それとも軽蔑の言葉なのか、分からない。全く美少女との会話は頭を使いすぎる。まるで正解以外選んだら死ぬようなゲームだ。

「まあ、一般だな」

 これが一〇〇点の回答だとは思わないが、でも、まあ七十点ぐらいの回答をしたと思う。

「私は勉強とか、小説読んだりとか、バイオリン引いたりとかだね」

 全くこの人は素で最高の趣味を持っていやがる。好きだ。

「それで今から何します?」