実習がいざ目の前まで迫ってくると
勉強することが山盛りで
優子が秀頼と会えるのはますます
妄想の中だけになっていた。


「関連図に、看護計画に
 実践する看護の計画書…」


やること多すぎじゃん!


と誰もいない部屋に
自分の声だけが響く。

目の前の実習要項に
頭が痛くなってくる。


早く先生に会いたいとは思うけど、
実習って思ったより大変かも…


大きくため息をついたところで
ベッドの上で振動音が聞こえた。


「はいはーい」


と重い体を動かしてスマホを手に取る。

と、その画面には、


「えっ!」


思わず声が出るほどびっくり。

秀頼からだった。