だが、運命というものは不思議なもので、
再会の可能性は思わぬ形で
その確率をぐんと上げた。
「うそ…」
それは、来週から始まる
2週間の基礎看護学実習の割り振り表が
配られた日のこと。
「どこだった?」
優子が紙を手にしていの一番、
南が聞いてきたところで
優子は黙って紙を見せた。
『水城優子 16班 7階東 呼吸器内科』
「えっ‼︎スゴイじゃんっ‼︎
やったじゃん‼︎」
早速報告しよ!
とはしゃぐ南に、
優子は頬がだらしなく緩むのを
堪えて言った。
「ううん。
敢えて黙っとく」
先生の反応が楽しみだ。
それよりなにより、
たったこれだけのことで
こんなにも実習が楽しみになるなんて。
自分のあまりの単純さに
これまた驚きだった。