「あれ、呼内の藤原じゃね?」

「え、あの2人どういう関係?」

「あのパーマのイケメン誰?」

「たぶん麻酔科の…」


他方から聞こえる声に、
優子はいたたまれない気持ちになった。

医学部生ばかりということは、
当然秀頼たちのことを知っている学生もいる。


変な噂が広がったら?
先生の仕事に響いてしまったら?


優子の不安が伝わったのか、
それを宥めるように秀頼が優子を見下ろした。

大丈夫だ。

そう言っているような、
ほっと安心させてくれる
柔らかい表情で。