パーティーというよりは、
最早クラブに近しいそれだと
優子でもわかった。

薄暗い部屋に、無数のライトが
あちらこちらを飛び回っているようだ。

狭いテーブルを大勢が囲み、
音楽に合わせて揺れる大人たち。

やたらと露出が多く、
目のやり場に困るぐらいだった。


「あの、足立さん!」


かなり進んだと思われるところで
初めて大声を出してみたが、
あまりにも自分の声が通らないことに
驚きだった。

こんなに叫び続けていては、
喉が死にそうだ。


「足立さんっ!」


優子が足立の手を軽く引くと、
足立はようやく振り返った。


「どうした?」


足立の声は、優子よりも通らない。

顔がグッと近づき、
お酒の匂いがふんわりと香った。


「どこまで行くんですか?」


四方八方から押され、
正直帰りたいとさえ思い始めたところで、


「もう少しで楽になるから」


と言われ、更に先に進んでいくと、


「え…!」